先週、地元で日本舞踊の発表会があった。仕事上の関係もあり、それに唄や三味線、鼓、笛などの邦楽が好きなんですね。だからちょいとのぞいてきましたぞ。
そもそも日本舞踊というものは、歌舞伎踊りのことであり、歌舞伎の発達とともに歩んできたものと考えていい。今回は22の演目が並んだわけだか、そのことごとくが歌舞伎の中でも舞われるものである。
例えば、「三番叟」、大元をただせば能の「翁」から派生しているもので、五穀豊穣を祈る。「雨の五郎」は、曾我五郎が傘をさして化粧坂(けわいざか)の廓にでかける姿を舞いにしている。これは以前に市川海老蔵で見たことがあったが、地元のニーチャンもなかなか頑張っていましたぞ。立派な雨の五郎になっておりました。
「連獅子」も掛けられている。そうそう、歌舞伎の「連獅子」を最後に観たのは、平成17年の10月だったなぁ。十八代目中村勘三郎の襲名披露でのことである。親獅子を勘三郎、仔獅子を勘太郎(当時)と七之助。これは見ごたえがあった。この時には、勘三郎があっけなく亡くなるなんて思いもよらなかった。「勘三郎時代の幕開けだ」と確信していたものである。
おっと、日舞の会の話だった。地元の名取の「連獅子」もなかなか微笑ましくてよかったですぞ。
派手な演出の後に、「序の舞」という演目があった。背景は白の大きな屏風のみで、琴の静かな調べにのって清楚な女が舞う。能の「序の舞」と上村松園の「序の舞」から創作された日本舞踊で、これまた結構でした。