読書会は楽し

 夕べ、某所で読書会。課題図書は、堀越二郎零戦』(角川文庫)である。いつもはワシャが仕切って、他のメンバーから感想などを述べてもらうのだが、昨日は、開口にメンバーの一人から「ワルシャワさんはなぜこの本を課題図書に選んだの?」という質問が飛んだ。
 それは……。
 まず、映画『風立ちぬ』が上映されていたので、その主人公である堀越二郎を知っておくのも悪くはない、そう思ったことがある。それから、先の戦争が、将兵や兵器から語られることは多い。この切り口からの戦史がスタンダードだと思う。
 だが、兵器を造った人からの戦史というのは割合として少ないと考えたし、事実、この読書会のメンバーたちも初めての対象とのことだったので選んだ。
 あわせて、日支事変から始まる戦争について、少し見る角度を変えることで、平板に語られてきた戦争を、立体的に感じてもらえるかもしれないと思ったからである。
 まぁそんなふうに答えておきました。
 しかし、早速その効果が現われて、いつもはあまり発言しないメンバーから闊達な意見がでた。なぜかというとそのメンバーの父親が、戦時中に名古屋の三菱重工で働いていて、「もしかしたら堀越さんたちと一緒に仕事をしていた可能性があるかも」と思った瞬間にターボがかかったのだそうな。
 事実、父親のアルバムには古い航空機の写真が幾葉もあったという。それは間違いなく三菱重工で造られた飛行機でしょう。
 その話で盛り上がり、その後、開戦前夜の日本の置かれた立場や、空襲の被害、原子爆弾の真の意味などなどを議論して、そのまま居酒屋に突入したのだった。あ〜おもしろかった。