テレビマンのおごり

 スギちゃんが番組収録中に大怪我をした。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/other/588395/
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120903-00000019-ykf-ent
第12胸椎破裂骨折で、全治3か月だというが、脊椎の損傷をバカにしてはいけない。その中を下半身に通じる神経系が数多く走っているのだ。椎間板の軟骨がほんの少しはみ出て神経を圧迫するだけで、大変な苦しみである。それが胸椎破裂ということになれば、そのレベルはまったく違う。今は麻酔が効いている上にベッドに横たわっているからいいようなものの、その後遺症を考えると、スギちゃんの元気を装うブログが悲しい。

イッテQ』という番組がある。イモトアヤコは冒険家としての色合いを出してきたが、その他の出川哲郎森三中宮川大輔などがとんでもない挑戦をさせられて、その滑稽さを笑うという低俗な番組である。リアクション芸人をなのる出川は、高度1万メートルからのスカイダイビングを強要される。出川は本当に嫌がっていた。アリバイ的に司会の内村光良からは「無理しなくていいからね」というメッセージが届けられたが、撮影クルーが随行しているのである。しがない芸人に断れるわけがない。断れば、必ず番組から降ろされる。これが「いじめ」でなくてなんなのか。
 森三中でもそうだ。草原の池にむかって張られた下りの長〜いビニールシート。そこに水を流しながらのウオータースライダーをやらされる。通常のプールにあるそれなら、安全確認がなされているので、スライダーから外に飛び出すことはない。しかし、ただ単に地形のままのスライダーで安全確認のしようもないシロモノで、体をはった撮影を命ぜられる。太めの大島が挑戦し、もの凄いスピードで何度もバウンドしながら、池の中に突っ込んでいく。ビニールスライダーの外に飛び出せば大怪我をするのは間違いない。
 レギュラーを餌に、さしたる安全確認もしないままノリで芸人たちに危険な行為を強いる。自分たちは安全なところにいて、ニヤニヤしながらカメラを回す。芸人など消耗品だと思っているテレビ関係者、こういった番組を制作して恥じないテレビマンは嫌いだ。
 
 かつて「おれたちひょうきん族」という番組があったが、そこでは命令する立場のビートたけしも軍団の若者たちとともに熱湯に入ったり、高いところから落ちたりしていた。
イッテQ」のスタッフ・関係者にはぜひお願いしたい。年末特番の企画である。「テレビ局総ざんげ」と題して、出川や森三中に危険を強いたテレビ関係者をずらりと並べてビニールスライダー、バンジー、スカイダイビングでもやらせればいい。自分たちが実際にやって見せて、その上で選択権のない芸人たちにやらせる。至極真っ当な話でしょ。
 芸人への「いじめ」を垂れ流しておきながら、報道番組で「いじめ撲滅」などと局アナに言わせているんじゃないよ。