呑み過ぎシール

 いやー、ついつい呑み過ぎましたぞ。社員20人ほどで中華料理屋の座敷で宴会だった。中華料理は嫌いではないが、中華で宴会はいただけない。好物の生の魚介類がないし、ごてごてした味がそもそも日本酒や焼酎に合わないのだ。やはり繊細な酒には、繊細な料理が必要だと思う。ただ、ここの餃子は美味い。焼きたてを何もつけずに具についた味だけで食す。結局、2時間余り、餃子ばかりを食っていた。
 メンバーの中では年長のほうに入っているので、若い社員が気をつかってビールを注ぎに来てくれるのだが、初めて宴席を共にするようなメンバーもいて話すことがない。本の話をしても相手が退屈だろうし、歌舞伎や能の話では、言葉が通じないだろう。「風姿花伝」と言っても、「風疹ガーデン?」と聞き返されるのがオチだ。まぁ当たり障りのない社内の話をして座を保つ。
 2時間ほどで締めが入ったので、そそくさと退席し店を替える。少し歩けば、友人のやっている店がある。そいつとなら政治の話ができる。
ところがオーナーは不在だった。仕方がないので隅のテーブルでビールを独り呑み。しばらくすると若手が何人か追いかけてきた。ワシャが立ち寄る店など何軒もあるわけではないからね。
 こうしてワイワイ言ってくれるうちが花なのだろう。そう思い直して、若手たちと乾杯するのだった。
 ちょい呑み過ぎたところをみれば、それはそれで楽しかったのだろう。やれやれ。