平和目的の玩具の異例の公開

 北朝鮮は、弾道ミサイル発射ではなく、人工衛星の打ち上げだと言い張っている。その言い訳として人工衛星光明星3号」を登場させてきた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120409-00000080-mai-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120409-00000501-yom-int
 北朝鮮がいくら強弁しても、この衛星に「高度な機能はなさそう」というのが大方の専門家の見かたである。世界レベルから言えば、玩具のようなものを、巨費を投じて作る意図がわからない。もちろん、弾道ミサイルの実験という意図は見え見えという前提だけれど。
 ちゃちなものを公開して笑いものなるよりも、その分の予算を食料確保にまわせば、どれほどの人民が救われることだろう。
 問題の衛星の写真はこれだ。
http://matome.naver.jp/odai/2133389563734916801/2133390498535493803
 背後にブルーのシャッター、コンクリートの白い壁、「どこぞの車庫かいな?」という場所での公開である。日本の衛星を組み立てる場所(そこでプレス発表もしていた)を見たことがあるが、クリーンルームだった。和歌山大宇宙教育研究所の秋山演亮所長の言うとおり、本物ならこんな場所での公開は考えられない。

 この北朝鮮の衛星(?)の報道発表を見ていて、昔見た映像を思い出した。
 山梨県上九一色村にあったオウム真理教教団本部。第2サティアンとか第7サティアンとかあったでしょ。その中の一つに巨大な顔面大仏があり、それをテレビ中継で、教団幹部が必死に説明していた。でも、見るからに張りぼてで、この教団の薄っぺらさがよくわかった。
 教祖がいて、幹部がいて、抜け出したくても抜け出せない数多の信者がいる。北朝鮮オウム真理教はよく似ている。その信者たちの血と命であがなったお布施を、火遊びで消耗するところもまったく同じだ。どちらに対しても心の底から憤りを感じる。