明日、2月28日は利休忌である。豊臣秀吉の茶頭であり、茶道の神様といってもいい存在だった。その利休が、京都聚楽第の利休屋敷で切腹する。切腹の直前、利休は茶をたてている。その時に使った茶杓が「泪の茶杓」だった。
今、徳川美術館で利休忌の前後のわずかな期間だけ、この茶杓が展示される。歴史好き、茶道具好きのワシャとしてはどうしても見ておきたい逸品だった。これです。
http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=96849
山本兼一の『利休にたずねよ』の冒頭に、利休切腹の場が出てくる。その最期の場面は「一畳半」と呼ばれる茶室であり、そこには「泪の茶杓」が静かに横たわっていたに違いない。
利休自らがこしらえ、名づけ、そして最期の茶で使った道具である。わずか五寸五分ほどの小さな杓でしかない。しかし、そこには利休の茶への思いが込められている。秀吉という巨大な絶対権力者をあざ笑うかのようなひそやかな名物の中に、茶道の心が入っている、じっと眺めていてそんなふうに感じた。
あーおもしろかった。