週末の雑用

 この週末は忙しかった。日曜日に出勤もして、寒い社屋で残務処理をしていた。それは織り込み済みだったのだが、大変だったのは、昨日も書いたけれど、物置の封印を解いてしまったことである。
 だから、昨日は古本屋のオヤジになった気分でしたね。なにしろ、玄関から物置まで続く60mほどの廊下が……ウソウソ、6mに満たない短い廊下でした(笑)。そこに書籍、漫画、雑誌、新聞などがあふれかえったのだ。その中に椅子を置いて、手当たり次第に保存するものと売却するものとを仕分けていく。
 基本的に付箋のうってあるものは残す。資料的な価値があるからね。付箋がなければ、目次を確認する。そこに興味を引くものがなければ、売却・廃棄のコーナーへ積んでいく。たまに興味のある本が掘り出されるとついつい読みこんでしまって、作業がはかどらないったらありゃしない。でも、大方は確認という単純作業なので、居間のテレビを見ながらの作業だった。
午後1時半から「たかじんのそこまで言って委員会」が始まる。その中で、中田宏大阪市特別顧問がこんな発言をしている。
横浜市でもそうだったんですが、迷惑施設に対して住民のエゴが丸出しなんですね。ゴミ置き場にしてもそう。自分の家の前は絶対に嫌なんです。だったら、町内で順番に集積場所を替えますか、というとそれも嫌だという。結局、自分さえよければいいという住民ばかりになってしまった」
 確かに、中田さんの言うとおりで、東日本大震災での日本人の真摯な対応を、世界中が称賛したが、それはあくまでも被災地でのこと、日常の生活の中では、わがままな市民が増殖していることは論を俟たない。みんなで少しずつ不便を分け持たないと、社会なんて成り立っていかないと思いますがいかがかな。
昨日も会社に行こうとして交叉点で待っていた。歩行者用の信号が青になったので、渡ろうと思ったが、ワシャはそれほど人間を信じていない。だから、あわてて飛び出さず一拍おいた。そうしたら、案の定、若いニーチャンの運転する乗用車が猛スピードで通過していった。もちろん、ニーチャンの従うべき信号は赤である。彼にしてみれば、歩行者のことなどどうでもいいのである。大切なのは、先を急いでいる自分なのだ。そういうのに限って大して忙しくないんだけれど……。
 でね、そのニーチャンの車は次の信号でしっかりとつかまっていた。やっていることが無駄なんだ。もう少し頭をつかって運転しろよ。

 たまたま新聞整理もやっていて、気がついたのでメモをしておいた。テレビを見たり、本を読んだり、新聞記事をメモしたりと、ちっとも本来の片付けが進まない(自嘲)。でも、新聞というのはおもしろいんですね。
 朝日新聞である。朝日新聞だけではないのだろうが、取り合えず目についたのは朝日新聞だったから。
 地方版の片隅に、東日本大震災救援募金に貴重な資財を寄付した方を載せる欄がある。そこでは、寄付した方の氏名を「敬称略」としている。呼び捨てだ。「山田太郎」と記載する。ところが社会面の犯罪者は、○○容疑者、◇◇被告など、呼び捨てにされない。「山田容疑者」、「鈴木被告」だ。「島田司会者」なんていうのもありましたな。
 たまたま、その日の募金者掲載欄はお一人だけだった。だったら「山田太郎さん」でいいのではないか。カッコをつけて「敬称略」と書けば5文字が必要だよね。なんかおかしくないかい。

 ああ、いつになったらワシャの家の玄関がきれいになるのだろう。