一期一会

 本との出会いはまことに貴重だと感じている。
 このところワシャが談志にはまっているでしょ。手持ちの談志の著作は、再読をしているのはもちろん、新たに購入して読んだりもしている。
 ところが、一冊だけどうしても、入手できない本があった。『童謡咄(どうようばなし)』(くもん出版)である。2000年8月に出版された本で、すでに絶版となっていた。仕方がないので、古本市場を漁ってみたのだが、これがどこにもない。近隣の図書館をいくつも当たってようやく見つけたような次第である。
 その本を図書館検索で見つけ、相互貸し出しで地元の図書館から手配してもらった。その本が手元に届くまで20日が過ぎていた。いやはや、恋しい人に逢うのには、手間が掛かる(笑)。

 最近、本の入れ替えが早い。たまたま出会った時に買っておかなければ、再会は果たせないと思った方がいい。
 今年の9月、ジャーナリストの日垣隆さんが、読書会を開催した。その時の参考図書に、J・グリック『カオス―新しい科学を作る』(新潮文庫)が挙げられた。これがまた絶版となっていた。新刊で見つかるわけはなく、古書店をネットであちこち探したのだが残念ながら入手することは叶わない。これも、やはり近隣の図書館から見つけ出し、読むことができた。

 だから、たまたま本に出会って、これは面白そうだと思ったら、必ず入手することにしている。そうしないと次がないかもしれないからね。