ウォーキング、読書、通勤

 1日24時間というのは万人に平等だ。スティーブ・ジョブズにも三年寝太郎にも1日に24時間ずつしか与えられない。どちらかと言えば三年寝太郎に近いワシャにいただけるのも1日に1440分だけである。
 これを単に浪費してしまっては、なんともったいないことか。なんとか工夫をしなければ、やりたいことをする時間など確保できるものではない。
 でもね、睡眠時間を減らすなどというのは愚の骨頂だし、仕事中によそ事をやるっていうのもご法度だ。仕事を辞めるという選択肢もなくはないが、収入がなければ本すら買えなくなる。

 では、どうするか、ということになる。ワシャは同時並行で物事を処理して、1440分を有効に活用する方法をとっている。
 例えば、通勤時間はこう使う。ワシャは会社まで徒歩で20分くらいのところに住んでいる。自転車で走れば、ものの10分と掛からない。でも、運動がてら、自転車を押しながら歩くことにしている。春や秋はそれだけでストレスの解消になるくらい気持ちいい。併せて、語彙を増やすために、『季寄』や『歳時記』を読みながら歩く。これがなかなかいい運動になり、いい勉強になる。
 風呂では、湯船で寛ぎながらの読書は当たり前。トイレでも、新聞を見ながら歯磨きをする。1つずつやっていれば10分は10分でしかないが、3つ重ねれば30分の時間が生まれる。今だって日記を書きながら髭を剃っていますぞ。

 また隙間時間の有効活用は重要だ。ちょっとした待ち時間、手持無沙汰にしているのは時間の浪費となる。そんな時にバッグの中から本を出して、ちょいと拾い読みをする。1日の間には、こんな隙間時間があちこちに散らばっていて、これを拾い集めるとけっこうな時間になるから疎かにはできない。

 仕事の趣味化も大きな時間を生んでくれる。だって、ワシャはサラリーマンなので間違いなく1日に8時間は「仕事」ということでガッチリと時間を拘束されてしまう。これを有効に使わないと、一生の時間などあっという間に消えていく。
 今の仕事に就いて以降、いろいろな部署に回されたが、行く先々で担当の仕事を趣味にしようと心がけてきた。防災の部署なら防災が趣味になる。環境部門ならCO2の削減の是非なんかを考えるのを趣味にしてしまえば、仕事中に趣味の本が堂々と読めるわけだ。そうでしょ。
古沢広祐他『カーボン・レジーム 地球温暖化と国際攻防』(オルタナグリーン選書)
渡邉信『新しいエネルギー 藻類バイオマス』(医学評論社)
天野治『石油ピーク後のエネルギー EPR(エネルギー収支比)から資源の有効利用を考える』(愛智出版)
 なんて本は仕事でも読みたくないでしょ。でも、ワシャは環境が趣味なので、この手の本が好物なんですね。仕事中に歌舞伎の本を読んではいけないが、次への事業展開のために「EPR」の研究や「藻類」の勉強をしてはばかるものではない。

 以前に若手漫才師のライブに行って来たことを日記
http://d.hatena.ne.jp/warusyawa/20111017
に書いたら、こんなコメントがついた。
「つまらなかったライブのレポを時間つかって書いて満足なんて暇だね」
 前段で書いたようにワシャには持て余す暇がない。ライブには行って観なければ、その良し悪しは解らないし、たとえ悪かったとしてもそこから得られるものは多い。
 また、ここはあくまでもワシャ個人的な日記であって、そこにつまらないことを書こうがワシャの自由なわけで、それがストレスの解消になっているなら、それでいいのだ。
 その上に、ワシャは尊敬する作家と約束をしたことがある。といっても一方的にワシャの方が心に決めただけのことだけどね。
 その人が7年前にとあるセミナーでこう言った。
「物事は15年やり続ければモノになる」
「事を成そうと思えば極端さが必要だ」
 この言葉に動かされて、2004年から日記を書き始めた。15年で阿呆がモノになるかどうかの長大な実験と言っていい。
 そして、この日記には願掛けの意味もある。お百度を踏んでいる感覚とでもいいましょうか(笑)。
 もう一つおまけに、大して向上はしていないが文章修行にも役立っている。会社での文書作成が7年前のことを思うと、格段にスピードがついたのは間違いない。おかげでずいぶん時間の節約になっている。

 まぁ少なくともつまらない日記を読んで、ケチをつけているような暇はないわさ。