腰の具合は一進一退。油断をすると、例えば靴を履こうとして少し体を傾けると「ピキッ」と痛みが走ると、もういけない。それまで普通に歩いていたものが、体が曲がり、杖がなければ歩けなくなる。因果な病気になったものだ。
それでも、朝食を調達しには近所(といっても数百メートル先)のコンビニまで行かなければならない。植え込みと低木並木に挟まれたインターロッキングの歩道を、痛みの治まらぬ腰をなだめながら杖を突き突きゆっくりと歩くワルシャワはいかにも情けない。「男はつらいよ」の第19作に出てきた嵐寛十郎でもあるまいに。いやいや今のワシャと比べれば、アラカンのほうがよっぽど矍鑠としている(泣)。
でもね、ゆっくり歩いていると普段見えないものが見えてくるんですよ。歩道の両側の緑地帯からいろいろな虫が這い出てくる。アリはたくさんいる。ダンゴ虫も見た。ダンゴ虫よりひとまわりでかい黒い虫もいる。ミミズはよく見る。そのほとんどは干からびた屍なのだが、なかには動いているやつもいる。施設側の広い庭から、3mほどのインターロッキングの砂漠を越えて歩車道分離の低木植栽を目指している。なんでだろう。施設の庭のほうがよほど快適だと思うのだが。歩道でカンピンタンになっているこいつらは、もしかしたらみみず界のコロンブスではないか。
そうそう、今日も立川からは雲の中でシルエットになった富士山が見えた。