(上から続く)
「武田さんの責任で配管工事をしなさい。それは法を犯すことになりますがそれしか方法がありません」
結果として武田さんは勝手に配管工事をやり、事なきを得たのである。武田さんは言う。
「許認可の判断にミスを認めなかった役人は、自分の保身の方が、周辺の住民の安全よりも比重が重かったんですね」
いわゆる「無謬主義」というやつにこの役人も陥っていたわけだ。
ワシャにも似たような話がある。いやいや、友だちに聞いた話だった(笑)。
某市が国から予算をもらって歩道を新設した。通産省からの補助だったので、商店街の魅力づくりとかで、かなりグレードの高い資材を使うことが許された。高価なインターロッキングを購入して駅前の病院前の歩道に敷き詰めたのである。これはなかなか豪華で商店街の雰囲気ががらっと変わったものでした。
ところが完成して、供用開始されるとたちまち苦情が舞い込んできた。要するに豪華なインターロッキングにはデザイン性を考慮して、角の面取りが深かったんですね。ですから、それを並べると目地のところに深い溝ができてしまった。歩行者には気にならないが、自転車のタイヤが溝に入り込んで走りにくい。とくに病院を利用する車椅子には、その溝があるために通行ができないのである。
(下に続く)