結婚式で主賓あいさつをする その1

 今日、岡崎市の某所で部下の結婚式。一応、新婦側主賓で祝辞を述べる。昨日の夜、ざっと挨拶の原稿を作った。しかし、少し気合が入ってしまいA4用紙にびっしり4枚ある。読んでみると16分かかった。部下は「何分話してもらってもいいですよ」とは言ってくれているが、それでも限度というものがあるだろう。結婚式のスピーチで16分は長いでしょ。
 でもね、いろいろな趣向が入っているんですよ。まず、司会者に紹介される。なぜかキャリーバッグを転がしながらマイクの前に立つワルシャワ
 最初は冒頭の定型句。
「えー、只今、ご紹介にあずかりましたワルシャワでございます」
 新郎新婦、ご両家ご両親にお祝いを述べる。その後、流れからいくと自己紹介だが、司会者が肩書で紹介しているので割愛。主賓が誰だろうと誰も関心などない。
 早速スピーチの本体に入る。ものの本によれば、上司の祝辞はまず「仕事ぶりをほめる」そりゃ褒めますよ。でもね、ありきたりの褒め方では寂しい。だから、10月に職場のメンバーで「狐の道中」の仮装をやって町を練り歩いたのでその時のエピソードにしよう。揃いの浴衣の尻を端折って、手拭いで頬かむりをしてその上に狐の面をつける足元はわらじばきで、大きな幟を立てて、「美しき天然」という曲に合わせて(あのサーカスでよく流れている「タ〜タタララタ〜タタ〜タラタタララ〜」というやつです)中心市街地を練り歩いた。嫁入り前の娘にそんなことをさせた課長は後にも先にもワシャだけじゃ。そう言いながら、キャリーバッグの中から狐の面やら浴衣、わらじなどを取り出して会場に見せるのじゃ。
 エピソードの締めには笑いをとっておこう。
「新郎様、こんなに素敵な新婦は金(かね)のわらじを履いて探してもなかなか見つかるものではありません。おっと、これは藁のわらじですか……」
 誰も笑わないか。
 そしてエピソードの後は、はなむけに何かもっともらしいことを言わなきゃいけない。でも、そんな臭いことを人前で言えない。
「えー、結婚生活には3つの袋が大切です。給料袋、堪忍袋、おふくろ様……この3つを大切にしておけば……」
 言えまっしぇん。
(下に続く)