バッタモノはいずれ消える運命 その2

(上から続く)
 同じことをテレビを見ていて思った。
 年末年始にかけてまともな番組があっただろうか。ワシャは残念ながら(残念じゃないけど)あの42%の視聴率をたたき出した紅白歌合戦すら見なかった。その他の新春バラエティなど推して知るべしである。
 夕べ、テレビ愛知で映画「サウンド・オブ・ミュージック」が放映された。パチンコ屋のCMばかりがやたら流れて不愉快だったが、それでも映画そのもののクオリティは高くついつい観てしまった。
 吉本芸人のつまらない楽屋話を聴いている暇があったら、映画を観ればよろしい。とくに名作鑑賞をお薦めする。
 ワルシャワは中学生の時に場末の映画館で「サウンド・オブ・ミュージック」を観た。リバイバルリバイバルで、スクリーンには雨が降っていたが、それでも目の前に広がるアルプスの風景に息を飲み、ジュリー・アンドリュースの歌声に聞きほれていたことを思いだす。
 JR東海のCM「そうだ京都にでも行こう」のBGM
http://www.youtube.com/watch?v=_vX4oNd-AFk&feature=related
が、「サウンド・オブ・ミュージック」の挿入歌「My Favorite Things(私のお気に入り)」であるというのは有名な話だが、そのCMを耳にしたとき、マリアが子どもたちと駆け回るオーストリアの山々の光景が脳裏によみがえったものだ。
 果たして芸人の、新幹線で遭遇したトラブルとか、相方の恥ずかしい私生活の話が、どれほど人の人生の糧になるのだろう。まったくならないと思いますぞ。時間の無駄と言ってもいい。
 人生はさほど永くない。クオリティの高いものだけを選んで見たり聴いたり食ったりしても、すべてを制覇することは困難である。
 だから、みんながいいものをチョイスするリテラシーを身につければ、いずれ、まがい物は市場から排除されていく。テレビ、マスコミも同様だと、「サウンド・オブ・ミュージック」を観ていてそう思った。