モンマルトルで夕暮れを

 ワシャはシャンソンが好きだ。今、書庫(物置ともいう)には、リス・ゴーティの「巴里恋しや」が流れている。シャンソンに身をゆだねながらユトリロの描くパリの街並みを眺めながらコーヒーを飲む。むむむ、やっぱり「休日」はいいなぁ。

 なんで朝からシャンソンを聴いているのかというとね、今日が「銀巴里(ぎんぱり)」というシャンソン喫茶の閉店記念日だからなのじゃ。昭和26年、銀座にオープンし、美輪明宏戸川昌子を育てた。戦後のシャンソン・ブームを支えてきたメッカでもある。残念ながらワシャがシャンソンを聴くようになった頃には店がなくなっており、「銀巴里」で美和明宏の歌声を聴くことは叶わなかった。残念。
 まぁそんなこともあって、早朝からシャンソンを流しているんですな。

 げげげ!そんな余裕をかましていたらもう午前9時を過ぎてしまった。日記も全然書けていない。書庫の掃除は日記を書いてからと思っていたので、ワシャの坐っている周りは、モンマルトルというよりもフィリピンのパヤタスやトンドのような状況になっている。こいつは気合を入れて掃除をしないと、本当にパヤタスのまま年越しになりそうだ。