知らなかった言葉

 司馬遼太郎『以下、無用のことながら』(文春文庫)を読んでいて「強弩の末」という言葉に出くわした。知ってました?
不勉強なワシャは知りませんでした。司馬さん、京都の寺社が有料で寺宝などを拝観させていることを批判して次のように言う。
法然知恩院親鸞本願寺も依然として、観光客が仏さんを見るのに、あるいは境内を見るのに、お金を取っていません。(中略)とくに西本願寺は宝物がたくさんありますが、それを見せてもらおうと思えば見せてもらえます。観光でやらなくてもいいというだけの力は、まだ強弩の末ぐらいには持っています。》
 文末に「強弩の末」が出てくる。いくらワシャでも「強弩」は解る。強力な弓のことですよね。でも「末」がよく解らない。「強弩」の末端部分のことではなさそうだ。調べてみると、出典は『漢書』であった。「強弩の末 魯縞に入るに能わず」(強弩で射た矢も、ついには勢いが衰えて、魯の国で産する薄絹さえ貫くことができない)、つまり、初めは勢力のあったものも、衰えると何事もできなくなるという例えである。
 う〜む、勉強になるのう。
(下にもあります)