(上から続く)
今、太地町のイルカ漁どころではない騒ぎがメキシコ湾で起きている。例の原油流出騒動だ。この事件が及ぼす海洋への影響は、太地町のイルカ漁の何兆倍になることやら。週刊誌のインタビューを受けている暇があるなら、オバリーよ、さっさとメキシコ湾に行って、お前の大好きなイルカの海を助けるために、油除去作業に従事せよ。しかし、かれはこう言うだろう。というか、「週刊朝日」でこう言っている。
「ただ残念ながらひとりの人間ができることは少ない。だから私の人生に深くつながるイルカにこだわりたい」
だから、メキシコ湾で油まみれになって苦しんでいるペリカンには興味がないんだとさ。
ああ、この人も「主義者」なんだね。一つのことを思いこんでしまうと、もうそれしか見えない。インタビューからも人間としての幅がまったく感じられなかった。
オバリーはこう締めくくる。
「アメリカの奴隷制度が廃止されたように、文化や習慣は変わっていく。太地の漁師たちも、イルカ漁の代わりにドルフィン・ウオッチングを産業にすればいい」
歴史のない国に住むバカの言うことはまったく理解できない。変えてはいけない文化や習慣があるということをオバリーは知らない。そして、アメリカのもっとも恥ずべき奴隷文化と太地町の鯨類と共存を図ってきた伝統を同じレベルで論じるな。こういう狂信者を見ると本当に不快になる。
「正論」7月号に東京農業大学の小泉武夫先生が「日本を愛する同志よ、捕鯨を守ろう」という論を寄せておられる。「反捕鯨主義者」たちの愚かさを指弾するいい論文である。鯨好きの方は是非読んでね。
「正論」の巻末に本の紹介があった。佐々木正明『シー・シェパードの正体』(扶桑社新書)である。う〜ん、とってもワシャの味覚に合いそうな本ですぞ。早速、「e−hon」で注文したのでした。めでたしめでたし。