設楽ダムの随意契約の「怪」

 愛知県設楽町で進むダム工事の関連事業で、国土交通省所感の公益法人がプロポーザル方式で随意契約したんだとさ。設楽ダム工事事務所の言い訳は「高度に専門的な技術が要求されるため」なんだそうな。ま、これは随契の決まり文句みたいなものですから。そして、予定価格と契約金額が一致したことについてダム事務所の偉いさんは「たまたま一致した、としかいいようがない」と言っている。たまたま一致する確立は「はやぶさ」が偶然飛んでいって「イトカワ」に着陸するくらいの確率ですぞ。って根拠はありませんが(笑)。
 ワシャがかつて見聞きしたところによれば、公益法人のようなところが随契すると、たいてい民間のコンサルタントがついてきて、そこがいろいろと説明する。な〜んだ、仕事をするのは公益法人じゃなくて、下請の民間コンサルタントがやるんじゃないの。
それでね、コンサルタントの中でやたら威張っているやつがいて、「誰なんだこいつは」と民間コンサルにこっそり聞くと、国土交通省天下りなんですな。「ああやっぱり」てなもんですわ。公益法人にもその下請の民間にもたっぷりとOBが入り込んでいるんですね。

 コラムニストの勝谷誠彦さんがこんな提案をしている。「大規模公共工事は完成した際にはぜひ記念映画をつくれ」と。そして「エンドロールでこの事業に関わった政治家から役人の名前をすべて流せばいい」とも言う。確かにそうだ。有明湾のあのギロチン工法を考え出した役人や、その工法に判をついた上司の名前を知りたいものねぇ。あれほど効果的に「海を処刑する」という行為を見せつけた映像はなかった。アカデミー賞ものだと思う。ぜひ、ああいうことをする政治家、役人の名を末代まで残そうではないか。

 そうそう、朝日新聞の「定点菅測」のコーナーにまたまた呉智英さんが出ていた。呉さんは、民主党マニフェストに3点満点の1.5点をつけて、こうコメントしている。
《「最小不幸社会」の考えに共感。戦後に生まれ、東西冷戦期に育った私や菅さん世代は、「最大幸福」を目指して失敗した社会主義への反省がある。その上で消去法的に国家の役割や理想を表明したのがこの言葉だ。減点は、拉致問題や防衛など、残された国の役割への言及が弱い点》
増税の可能性に触れた点は大きく評価する。これまでの世論だったら総スカンを食らうはず。あえて揚げたのは良かった》

(予告)明日は、ある事情があって「四谷怪談」や「お岩さん」など江戸の怪について書きます。きっと怖いですぞ。でも、現代の「怪」のほうが恐ろしかったりして。