間の悪い政権

 今朝の朝日新聞1面に「省庁採用 来年度半減へ」という見出しが出た。「天下りあっせんの全面禁止」の徹底で退職者が頭打ちになることから、鳩山首相の指示で新規採用を大幅に抑えるという。
 もちろん天下りの根絶は必要なのかもしれない。しかし、そのために採用を半減させるというのは、この時期にタイミングが悪すぎるだろう。今、就職活動が「超々氷河期」になっている。この時期に雇用の安定を図らなければならない政府が、国家公務員の採用を半分手控えれば、それだけの学生が余剰となり、それでなくとも冷えこんでいる民間や地方自治体に流れこんで大混乱を起こすだろう。
 それも国民のことを考えた上での施策ではない。民主党参院選対策として、マニフェストに掲げた「国家公務員の総人件費の削減」を実施していますよと言いたいだけの場当たり的な指示だわさ。民主党のアリバイづくりのために、就職活動に奔走する若者たちは更なる逆風を受けることになる。
 そもそも民主党の言っていた「総人件費の削減」は入り口を閉めろということではあるまい。起きているのか寝ているのかわからないような輩を整理しろということではなかったのか。

 今日、4月27日は、経営の神様といわれた松下幸之助の命日である。松下さんは、その著書『実践経営哲学』の中で、「政治に関心を持ちなさい」と言っている。その理念から生まれたのが「松下政経塾」であり、民主党には、そこで松下さんに薫陶を受けた政治家が多くいるのではないか。

 国家経営に迷走する鳩山さんに、誰か助言をしてやれよ。