東京大空襲

 昭和20年3月10日夜、房総半島方向から帝都をめざしB29の大編隊(334機)が侵入してきた。そして東京東部の下町に猛烈な爆撃を実行した。軍需工場への攻撃ではない。非戦闘員を対象にした無差別爆撃だった。
 爆撃の方法は極めて悪質だ。まず浅草、本所、深川あたりに6.4キロ×4.8キロの長方形を想定する。これが目標になる。ます、初期の爆撃で目標の周囲をぐるりと取り囲むように火の壁を作ってしまう。目標地点内の住民の退路を断つために……。
 そうした準備をしておいて、目標地区内に2,000トンのナパーム爆弾を、それこそ雨あられのように降り注ぐのである。この夜の爆撃だけで死者は10万人と言われている。こんな爆撃が終戦まで日本の一般住民に対して何百回と繰り返された。戦争をしているとはいえ、この容赦のない殺戮行為は鬼畜としか言いようがない。
 この東京大空襲を鬼畜立案した、間違えた、企画立案したカーチス・ルメイ司令官は、戦後、アメリカ空軍参謀総長として来日し、航空自衛隊建設に貢献したという理由で勲一等旭日大綬章をもらっている。なんのこっちゃ。
 
 朝日新聞のどこを見ても、東京大空襲についての記述がないので、朝日新聞に代わって、鎮魂の祈りを捧げておく。