終身役役(しゅうしんえきえき)

 昨日の荘子塾(正式には「名言塾」という)で、こんな言葉に出くわした。面倒くさい人は「衝撃だった」まで読み飛ばしてくだされ。
《物と相いさからい相いそこなわば、その行きつくすこと馳するが如くにして、これを止むるなし、また悲しからずや。終身役役としてその成功を見ず、でつ然として疲役してその帰するところを知らず、哀れまざるべけんや。》
 衝撃だった。この歳の暮れに「忙しい忙しい……」と独楽鼠のように動き回っていたが、二千年の時を超えて「馬鹿者!」と一喝されたような思いだ。
 荘子はこう言う。
「周囲に逆らってそれと争っているようでは、一生は駆け足のように過ぎ去りあっという間に終わってしまう。なんと悲しいことだろう。生涯、あくせくと過ごしてそれだけの効果もあらわれず、くたくたに疲れきっても身を寄せるところも見つからない。哀れじゃのう」
 ワシャは何を忙しぶっていたのだろう。周囲との軋轢の中で、何を一人よがりに走りまわっていたのだろう。
「あるがまま、自然に任せよ」
 荘子が呉先生を通して語りかけてきた。