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「女優」というのはイメージ商売である。大衆がその女性にどういうイメージを抱くかによってその人気は大きく左右される。例えば小林聡美という女優がいる。大林宣彦監督の「転校生」で女子高生になった少年を演じた人である。彼女の夫は脚本家の三谷幸喜であることは有名な話で、彼女を見ていながら、コミカルだが知的な三谷幸喜のキャラクターが重なって浮かぶ。きっと自宅では演技論を戦わせたりしているのだろうな、と思ったりする。脚本家、演出家、作家など知的レベルの高い職業の人と結婚すると、その女優にはプラスに働く。
あるいは、旦那が俳優というのもアリだ。松嶋菜々子の夫が反町隆史だったり、森高千里の連れ合いが江口洋介だったり。離婚をしてしまったが竹内結子の配偶者が中村獅童だったというのも決してマイナスにはならない。
しかし、パチンコメーカーの御曹司では、いかにもイメージが悪い。パチンコ自体に「ギャンブル」という負のイメージがある。「ギャンブル依存症」「サラキン」「自己破産」「賭博」「鉄火場」「ゴト師」……
「パチンコ産業と北朝鮮との密接な関係はもはや日本国民の常識だろう」
と語るのはジャーナリストの溝口敦さんである。彼の著書『パチンコ「30兆円の闇」』(小学館)には《パチンコホールの厖大な利益の一部が北朝鮮に送金され、金正日体制を支えると同時に、ノドンやテポドンといったミサイルや核兵器の開発に使われたと信じられている。》
こういったイメージがまとわりつくのである。これはかなり損だわさ。神田うの程度の素質ならば惜しくもないが、伊東美咲には大女優に育っていく素養があったので残念無念としか言いようがない。彼女は「女優」として大成することを捨ててしまったのだろうか。