就職できない

 11月21日号の「週間現代」に……おっと、また間違えた。「週刊現代」でしたね。その「週刊現代」に「就職できない大学生 なんと12万人 東大、早慶ほか有名大学でもアウト!」という見出しが踊っている。
 100社以上にエントリーしても、未だに内定をもらえない学生がキャンパスにあふれているという。確かに、東海地方の小さな自治体の採用試験にも、募集の40倍の学生が殺到していることからみても、学生たちの就職活動は必死の様相を呈している。
 もう仕事に選り好みなどしている場合ではない。どんな詰まらない仕事にせよ、就職をしなければ「難民」になってしまうと記事は警告している。

「文藝春秋」の「日本の顔」に大滝秀治が載っていた。ドラマ『北の国から』で主人公一家を陰ながら支える老農夫の清吉役が印象的だった。大滝さんの長セリフ、大滝アリアが良かったなぁ。
 大滝さんは、23歳の時に劇団の研究生に応募して俳優人生をスタートさせた。それから61年、大滝さんは84歳になって、未だに俳優を仕事として第一線で活躍しておられる。紆余曲折はあったものの素晴らしい人生を全うされている。
 大滝青年は天職にめぐり合えた。運がいい。来年は木下順二作の『巨匠』の主役を演じるという。大滝さんのこの充実ぶりに比べ、就職活動で先の見えない若者たちの哀れさはどうだろう。
 なんとかこの若者たちを救えないものだろうか、と切実に思う今日此の頃なのである。