防犯カメラの有効性 その1

 昨日の朝日新聞「声」欄に「防犯カメラで監視 不安募る」という投稿が載っている。どうやらこの人(浜松市の主婦)、住んでいるマンションに防犯カメラが設置されることを嫌がっているようだ。
《共有部も「我が家」と思っているのに、専有部以外はプライバシーはないことになります。》
 まさにその通りである。プライバシーは家の中だけだと思え。昔むかしのその昔、日本に犯罪が少なかった頃、プライバシーなどという上等なものは、庶民の生活の中にゃなかったねぇ。家なんざぁ、開けっぴろげで、通りから裏まで見とおせたもんさ。どの家族がサンマを食って、どこのじいさんが灸をすえているかまで、全部、バレバレだった。どこのガキの手癖が悪いとか、あそこの娘が嫁いだ先の姑の性格が曲がっていることまで近所の雀が知っていた。
 夕飯どきになると、隣町の熊さんや八っあんがアポなしで上がり込んできて、一緒に飯を食っていたりしたもんだ。
 だから、犯罪なんてものは起きなかった。夜中だって戸締りなんてしたこたぁねぇ。表から裏まで開けっぴろげで寝たもんさ。
「プライバシーが欲しいわ。共有部分にだって欲しいわ。でも、安心安全も欲しいわ」
 って、アホか!
(下に続く)