チケット騒動 その1

 錦秋の御園座の歌舞伎は「仮名手本忠臣蔵」の通し狂言だ。顔ぶれも名古屋にしてはいつになく豪華になっている。団十郎仁左衛門、左団次、福助橋之助・・・・・・やっぱり大したことはないか。
 それでも「忠臣蔵」の通し狂言は久しぶりだわさ。早速チケットを手に入れなくっちゃということであちこち手を回した。
御園座友の会」に入っていると7月の後半から始まった特別予約でチケットを押さえることができる。これで昼夜各2枚はゲットした。しかし、ワシャと仲のいい歌舞伎仲間は4人、残り2枚を入手しなければならない。
 一般の個人電話予約は8月25日から開始される。友の会会員はその2日前から予約が可能だ。だから、このチャンスを狙うしかない。しかし、今回の狂言はすでに特別予約を受け付けているので、かなり入手が難しそうな予感がしていた。

 友の会会員の受け付けは23日(日)の午前10時に始まる。自宅の固定電話は広いカウンターに乗っている。その横のスペースに携帯電話、「忠臣蔵」のチラシ、御園座の座席表、予約する日を間違えないように日付、曜日、昼夜の別を書いた紙とメモ帳と鉛筆を置いた。楽に電話が掛けられるように、椅子まで持ってきて用意万端整えその時を待った。
 午前9時55分、固定電話も携帯も御園座の電話番号を検索して表示しておく。
 午前9時58分、少しフライングだが固定電話から電話をかける。案の定「ツーツーツーツー」と話中の音がする。
(下に続く)