大雨の落語会

 昨日、地元で落語会があった。出演は瀧川クリステルじゃなかった。瀧川鯉昇(りしょう)、鯉橋(りきょう)、鯉八(こいはち)、桂平治など。
 前座で鯉八が「かぼちゃ屋」、二つ目の鯉橋が「厩火事」、真打ちの鯉昇が「宿屋の富」を掛けた。鯉昇は上手いなぁ。噺に無駄ってぇものがない。それでいて間がいいねぇ。熱演なのだが高座が乱れるということがない。旅人の大法螺で笑わせる。それを真っ当に信じてしまう宿屋の主人もおかしい。そして湯島天神で富札の確認するところで大爆笑だ。最近の一発芸人には出せない腹のそこから突き上げてくるような笑いは凄い。
 中入り後、林家花の女流紙切り、その後に平治が大ネタ「らくだ」を掛けた。う〜む、熱演はしているのだが、まだまだ青いのう。物語の構成が今一つ洗練されていない。意味のないところに時間を割いて、大切なところでの描写が粗いのじゃ。オチの「冷酒(ひや:火屋)でもいいから、もう一杯」を生かすには、その前段できめの細かい伏線を張っておかなければいけないのだが、それができていない。酒を呑むにつれてヤクザとクズ屋の人間関係が徐々に入れ替わっていくところがこの噺の妙味なのだが、そのあたりもスムーズに転移していなかった。もう少し、精進が必要だろう。

 でもね、寺の本堂で、遠くに雨音を聞きながら、たっぷり3時間、落語に浸かって、あ〜楽しかった。