昨日の夕方のニュースで麻生首相の記者会見の様子が流された。麻生さんは、自民党役員人事に触れてこう答えた。
「しかるべき時に、しかるべき方を、しかるべき時期に、しかるべき対応を……」
ワシャが聴いていただけで、麻生さん、4回「しかるべき」を口にした。なんだかテレビカメラのこっち側にいて、麻生さんに馬鹿にされているような気分になった。要するにヤツは具体的に何も答えていないんだからね。
「しかるべき」は「然る可き」で、「然る」は「そうである」、「可き」は「べし」の連体形、「べし」は「当然、そうするほうがよい」ということで、「適切な」とか「適当な」という言葉に言い換えることができるだろう。
つまり麻生さんは「適当な時期に、適当な人を、適当な役につけて、適当に現状を乗り越えたい」という適当なことを適当に言っているに過ぎない。なんという適当な人だ。
フリージャーナリストの上杉隆は『世襲議員のからくり』(文春新書)の中で、麻生首相を「お膳立てをしてもらうことに慣れ、周囲にまで思いが至らない人」と言っている。だから、この答えも後見人である森喜朗あたりにお膳立てしてもらったものなんだろう。
今朝の新聞に、麻生首相が森元首相と意見交換をしたという記事が踊っている。
嗚呼……
水産高校の練習船「えひめ丸」がアメリカの原子力潜水艦に衝突され沈没したという連絡があったにも関わらず、そのままゴルフを続けたという危機管理意識のない大馬鹿首相だった森あたりが首相の黒子だとするなら、この国の政治は末期と言っていい。歴代59人の宰相の中で最も暗愚と言われている森さんが、田中角栄を気取っている。森さんをどう贔屓目に見ても、せいぜい田舎の町議会議員か町内会長の器だろう。こんな連中が国政を壟断しているのである。そりゃ求人倍率は0.44になるだろうし、庶民のボーナスも減るに決まっている。ワシャの減ったボーナス分を返せー!
一方の鳩山代表は、この時期になって政治資金規正法違反で槍玉に上がってしまう。この時期になってそんなことが出てくることも胡散臭いのだが、鳩山さんの脇も甘い。でもね、曽祖父から4代も国会議員を世襲している方々である。そんな殿様が、不浄な銭のことなんかいちいち関わってなんかいないって。
また、これで政局が混迷するんだろうな……