ささやかな楽しみ その2

(上から続く)
《憎い人を心理的に崩壊させる方法が描かれている。私にとっては、「最近読んだ中で最も子供に読ませたくない本」であったため、本屋大賞に決まったのは意外だった。テレビ局や映画会社が映像化しないことを望む。》
 こう言われては読まざるを得ないわさ。速攻で「全国書店ネットワーク e−hon」で注文した。
 その他に、【いける本】で推薦されていた
川上弘美『どこから行っても遠い町』(新潮社)
も注文する。
「図書」では、丸山健二のインタビューがあって、これは読み応えがあった。彼は、新刊『百と八つの流れ星』(新潮社)で短篇小説の限界に挑んだと言っている。
《長さとしては一話はそれぞれたしかに短いのですが、テーマと文章の密度をほとんど限界まで高めてあるために、一話が普通の中篇小説か、それ以上の重さを持っていて……》
 そう言われちゃぁ読まないわけにはいかないのでこれも注文しておく。この他にも8冊のPR誌には気になる本をチェックした付箋が幾つもついているが、今夜はこのくらいにしておこうっと。
 その後、深夜まで購入した新書を読んだのだった。めでたしめでたし。

 午前4時30分、新聞屋さんのバイクの音で目が覚めた。いけねー、風が気持ちよかったので書斎で本に埋もれたまま寝てしまったようだ。う〜む、不自然な格好で寝ていたので腰が少し痛い。それでなくとも「腰痛戦隊ヘルニアン」なので気をつけようっと。
 気分転換に朝刊を取りに庭に出る。う〜ん、朝の空気は清々しい。少し体を動かす。身体じゅうの骨がボキボキ鳴る。ポストから新聞を取り出して、玄関脇の土管でつくった椅子に座って「朝日」、「中日」の二紙をチェックする。ふ〜ん、今日はさしたるニュースもないようだ。世界は平和な方がいい。
 ところで日曜日は両紙とも「読書コーナー」を載せていたな。両紙を並べて読み比べてみるが、やっぱり4ページを割いている「朝日」の方が2ページの「中日」より充実しているようだ。
 朝日新聞の方に、作家の瀬名秀明さんが、ダン・ガードナー『リスクにあなたは騙される』(早川書房)を推薦している。
新型インフルエンザに右往左往した我々は本書を読み一度深く考える必要がある。》と瀬名さんは言う。4月末、ついマスクを買い込んでしまったワシャはこの本を読んで反省しなければならない。早速、ネットで注文しなければ……と再び書庫にもぐりこむのだった。やれやれ。