リニアを曲げる?

 6月19日(金)の朝日新聞リニア中央新幹線の記事が載っていた。その内容はこうだ。田中さんを追い出してから利権談合の巣窟となった長野県が、中央リニアの線形を大きく北へ迂回させたコースを希望している。これに対してJRは、南アルプスをぶち抜いて真っつぐ(江戸弁)東京と名古屋を結ぶルートを示し、採算性も合理性もこっちの方が高いと発表した。
 この記事に読者が投書欄「声」で反応した。「地域エゴでリニア曲げないで」と題した投書で「国民全体が利用するものを一地域のエゴで曲げてはならない」と主張している。そのとおりだ。田中県政が続いていれば、こんな話は出てもこなかっただろう。でも、そうじゃないからこんな恥ずかしい迂回案を厚かましくも出してくるわけやね。これだけ利権談合による地域偏重の利益誘導が攻撃されている時代に、まだ、こんなことを言っている長野県って本当に腐っちゃったのかにゃ?
 ど腐れ県政の話などどうでもいい。問題は「リニア真っつぐ」「リニア迂回」ということではないのだ。こんな路線は不必要だということこそ重要なのである。
ワシャはときどき上京する。この春には5回ほど新幹線で出掛けた。ワシャは三河安城から乗ることが多いが、「こだま」で2時間40分、たったそれっぱかりで花の東京に着いてしまう。さほど混むこともなく快適な読書の時間を確保できる新幹線は至福の時間と言っていい。これが名古屋発の「のぞみ」になると、なんと1時間40分しかかからない。厚い新書だとぎりぎり読み終われない時間ですぞ。どうしてくれるんじゃ。
 話が逸れてしまった。要するに真っすぐなリニアも曲がったリニアもいらないということが言いたい。名古屋と東京を40分でつなぐ意味が理解できないのだ。
 直線ルート(安い方)で、工事費が5兆1千億円、これは試算だから工事を始めれば倍にも3倍にもなるだろう。それだけの資金を投入してすでに1時間40分で結ばれている場所を別ルートでつなぐ必要があるのだろうか。そんな費用があるなら、現在の施設をよりよくするとか、車両の安全性を高めるとかに使ったほうがいいように思う。