政治家の軽重

 一昨日、刈谷で買った『日本の有名一族/近代エスタブリッシュメント系図集』という本の、最初の一族は麻生首相の一族だった。麻生さんの家系はあちこちに出ているし、麻生さんだったので、なんだかスカを引いたような気分になる。でも、近代日本の基礎をつくった大久保利通や戦後の日本を立て直した吉田茂が並んでいるので、やっぱり近代エスタブリッシュメントのトップには間違いない。重厚な大久保、吉田の末にくっつく「太郎ちゃん」いかにも軽い。

 その軽太郎ちゃん、2月3日に紀尾井町あたりへ繰り出している。およよ、軽薄太郎、心を入れ替えて、祖大久保利通が不平士族に襲われて非業の死を遂げた地を訪ない、この国のことを考えようというのか、少しは見直したぞ……と、思いきや、ダチの島村代議士と紀尾井町の料亭福田屋で飲んだくれていただけだった。ポテチン。
 それにしても麻生首相、夜の宴席が多すぎる。先月20日からだけでも、13回もホテル、料亭などで痛飲している。ホテルニューオータニ「LAPIS」、ホテルオークラ「山里」、帝国ホテル「ゴールデンライオン」、会員制ホテル東京ベイコートホテル「リストランテ オッツィオ」……短くて1時間半、長い時は3時間も飲んでいる。これだけ飲めばあとは公邸に帰って寝るだけだ。この人、いつ本を読んでいるんだろう。いつ日本のことを考えているのだろう。
 大久保利通は、維新後、ほとんど酒を飲まなかった。ただ鶏卵に砂糖とブランを混ぜたものを、健康のために少量だけ服用していたという。飲酒で潰す時間を大久保はもっぱら書見や思索に使った。だから、明治初期の日本は国策を誤らなかった。
 さあて、連日連夜、飲んだくれているトップに率いられた平成日本はどんな方向に向かうんでしょうね。ワシャは少し背筋が寒いんですけど。