孫を活かせないか

 夕方からバイオエタノールをはじめとする新エネルギーの情報交換をするためM大工学部に出かける。次世代エネルギーの専門家から4時間にわたってレクチャーを受けた。飲まず食わずで議論をしていたので途中で気が遠くなってしまいましたぞ。
 バイオエタノールにはまだ解決しなければならない懸案がいくつもある。食料を燃料にするのかという批判も出ている。そこで稲藁、剪定枝、間伐材など食料でないものの可能性、効率性を検討した。
 その中で面白い候補が上がった。「孫生」である。「ひこばえ」と読む。何かと言うと、稲の収穫を終えた田んぼで、切り株から青い葉が伸びているのを見かけたことがありませんか?あれを「孫生」と言うんだそうだ。初めて知った。種籾が「親」、収穫された米が「子」、切り株からひょろひょろっと伸びた先につく貧相な穂が「孫」ということらしい。
 西三河で一反(たん:300坪)当たりの米の収穫高は520キロである。それだけが秋の刈り入れで収穫できる。その後、田んぼをうっちゃっておくと孫生が生えてくる。これがおおよそ50キロほどになる。もちろん、施肥も何もしていないから、人間が食うものにはならない。せいぜい飼料がいいところだ。ならば、バイオエタノールの原料にはうってつけではないか、と考えた。
 しかし、そうは問屋が卸してくれない。一反50キロではコンバインを動かす燃料費も出ない。孫生を刈り入れするのに、それから得られる燃料よりも余分に石油を使ったのでは意味がないのだ。その点をどう解決するか。まだまだ課題が山積している。