雲泥

 BSで黒澤明の「七人の侍」と金子修介の「あずみ2」を観た。「七人の侍」は世界の映画の中で燦然と輝く金字塔だからいいけれど、「あずみ2」には少々解説が必要なのかもしれない。ほらほら、2003年に上戸彩主演で製作された映画があったでしょ。ホームページには「世界を視野に壮大なるビッグプロジェクトが遂に始動!!それは未だかつて体験したことのない“SWORD ACTION”」と大風呂敷のコピーが踊っていたやつですよ。当時のテレビCMでは、上戸扮するあずみが敵の陣地に単独で殴りこみ、1000人と切り結ぶところを盛んに流していたよね。それのPart2である。
 たまたまこの二本を連続で深夜まで観てしまった。
 北村監督には申し訳ないが、まったく勝負にならない。この監督は「七人の侍」を観たことがあるのだろうか。ワシャは(エッヘン)この名作を何度も観ている。中学校のころに地元の映画館で観て、強い衝撃を受けた。3時間をゆうに超える映画だったが、あっという間だった。そして何度観ても色褪せない。観るたびにワクワクする。それに比べて、始めて観た「あずみ2」は高校の文化祭のシロート映画に毛が生えた程度の出来だった。甲賀忍者の親玉の高島礼子が、上戸に向かって「なんぼのもんじゃい!」と「極妻」のような啖呵をきったときには、テレビの前でひっくり返ってしまった。あずみを支援する少年たちのキャラクターも立っていないし、「体験したことのないソードアクション」というのはどこにあったのだろう。当時、「見物は上戸彩の太股だけ」と言われていたが、その太股だって貧弱で色気など感じられませんでしたぞ。詰まらないものをみて夜更かししてしまった。

 今日は朝から町内一斉清掃がある。ワシャは町内の役もやっているので、遅くまで寝ているわけにはいかない。そんなわけで午前4時には起きている。都合、2時間しか寝ておりまへん。だからこうしてキーボードに向かっていても眠いのじゃ……