病院での話(続き)

 頭痛の診察は脳外科ではなく内科だった。受付はやり直しになる。このために診察の順番がかなり繰り下がった。「ブーブー」と文句を言ったのだが、きれいな受付のおねえさんに「内科の受付で言ってくださいね」とニッコリされたので、仕方なく内科の受付に向かうのだった。
 内科の受付で、「最初から内科だと分っていれば、内科で受付をした。頭痛だから脳外科だと思って脳外科を選んでしまった。脳外の順番は8時30分だった。再受付をしたら9時の後半に順番が下がってしまった。これは理不尽ではないのか」と縷々説明をした。
 内科の受付嬢は端末の仮面を見つめて、キーボードをポコポコと打っている。そしてこう言った。
ワルシャワさん、内科は脳外科に比べて受診者が多いですから、最初の受付時間でも9時代の後半でしたよ」
「えー、最初の受付から変更の受付まで数分が経過しているのに同じ時間なわけないでしょ」
 と思ったが、頭が痛いので反論する気力もない。今度、健康な時にとっちめてやることにして、今日のところは矛を収めることにする。
 診察は若い医師だったが丁寧に診てくれた。
「心配ないと思います。多分、偏頭痛でしょう。それでも念のためにMRIを撮っておきましょう」
「はい」
「いつがご都合よろしいですか?」
「いつでも結構です」
「それでは2週間先しか空いていませんので2週間後にお出でください」
「2週間も先かい!」
 と思ったが、先生の言うことには従っておこう。
 診察を終え、支払いを済ませたのが午前10時、ちょっとした手違いはあったがまあまあ順調だった。
 それにしても大したことがなくてよかった。めでたしめでたし。