病院での話

 昨日、突然の頭痛で病院に行った。救急車を呼ぼうかとまで思ったが、痛みに堪えられそうだったのと、近所に体裁が悪いので何とか朝まで辛抱して朝一番で総合病院に走った。この病院は西三河では拠点病院になっているほどの病院で、近隣からも患者が集まり門前市をなしていた。
 診察の手順はこうだ。
 新患の場合、「新患受付」にいって診察カードを作らなければならない。ワシャの場合はすでに持っているので、ここは素通りする。「新患受付」の奥に「再来受付」の機会が4台ある。再診患者はここに並んで順番を取るわけじゃ。受付開始は午前8時なのだが、7時30分になると多くの暇人が列をなしているので、昨日はワシャも早めに家を出て7時20分には列の最後尾に並んだ。およよ、すでに受付待ちの行列は長く伸びているではあ〜りませんか。
「こんなに早くから並んでいるんですか?」
 ワシャの前に並んでいる異様に髪の毛を盛り上げた、そのために三頭身くらいになっている居酒屋の女将のようなオバさんに声を掛けると、こんな解説をしてくれた。
「月曜日だからねぇ、あたしも兄ちゃんも、ちょっと遅かったようだね。それでもこの辺りなら8時30分代はなんとかなると思うよ」
午前8時に受付が開始される。ワシャの前には50人くらいはいただろう。それでもスムーズに列は進み、8時5分には受付を済ませることができた。診察時間は大頭の女将が予測したとおり、辛うじて8時30分代に収まっている。
受付機から打ち出された診察案内票を手に、診察室前の受付へと急いだ。そこで受付の事務員に案内表を見せると、受付嬢はこう訊いた。
「どういう症状ですか?」
「昨夜、午後10時頃、ひどい頭痛に襲われまして……」
「頭を打たれたんですか」
「いえ、頭は打ってないです」
「じゃぁ診療科が違います」
「え?」
「ここは脳外(脳神経外科)なので、内科の方を受診してください。今、新しい案内票を作成しますね」
「脳味噌が痛いのは脳味噌外科ではないんですか……」
「内科ですね」
 受付嬢はワシャの持っていった案内票に替えて、内科用の案内票をくれた。その診療時間は9時の後半になっている。
「あの……受付時間が随分と繰り下がったみたいなんですけど……」
「内科の受付で言ってくださいね(ニッコリ)」
 ニッコリされてもねぇ。(続く)