This is bullshit.

 洞爺湖サミットの「議長総括」
http://www.g8summit.go.jp/doc/doc080709_09_ka.html
「エネルギー安全保障と気候変動に関する主要経済国首脳会合宣言」
http://www.g8summit.go.jp/doc/doc080709_10_ka.html
「G8首脳宣言(環境・気候変動)」
http://www.g8summit.go.jp/doc/doc080709_02_ka.html
を読んでみた。
 行政文書で「検討する」「強調する」「表明する」「支持する」「共有する」「確認する」「考慮する」「認識する」などという文言は、ほぼ「何もしませんよ」と同義である。そんな言い回しが満載の大爆笑宣言だった。

《2050年までに世界全体の排出量の少なくとも50%の削減を達成する目標というビジョンを、UNFCCC(国連気候変動枠組条約)のすべての締約国と共有し、》
まず共有するでしょ。
《かつ、この目標をUNFCCCの下での交渉において、これら諸国と共に検討し、》
次に検討もしちゃうでしょ。
《採択することを求める。その際、我々は、共通に有しているが差異のある責任及び各国の能力という原則に沿って、世界全体での対応、特にすべての主要経済国の貢献によってのみこの課題に対応できることを認識する。》
 おまけに認識もするわけだ。
《このような長期目標に向けた実質的な進展は、とりわけ、短期的には、既存技術の展開の加速を必要とし、中長期的には、我々の持続可能な経済発展とエネルギー安全保障という目的を満たせる方法での低炭素技術の開発と展開に依っている。その点、我々は革新的な技術と慣行の開発と展開を促進する適切な措置をとることの重要性と緊急性を強調する。》
 最後に強調して、結果、何もしないよということになる。地方自治体の職員がこんな文章を書いたら市民に張ったおされまっせ。
 首相は「大きな成果があった」と胸を張るが、中国・インドに数値目標という鈴をつけられないばかりか、米国の説得すら出来なかった。このどこに成果があるのか。
 キャスターの長野智子のブログにこんな話がある。今回のサミットで長野が米国の記者にインタビューしている時に、長野が手に持っていた声明文をその記者が指差して「This is bullshit(こんなものはたわごとだ)」と言ったそうだ。
 福田さん、たわごとを根拠にして国内向けに、どんな厳しいCO2削減を突き付けてくるのだろうか。
 そうそう「文藝春秋」8月号に「エコ予算一兆円が食い潰される」というルポがある。これなんかを読むと、このまま環境省に引きずられて大丈夫なのか、と心配になる。明らかにこの国の中枢は病んでいる。