現代官僚考

 関西大学名誉教授の谷沢永一さんがこんなことを書いている。
《キャリア組が一人前(いっちょまえ)の知恵者であるかどうかは謎である。キャリア組が強い倫理観(モラル)を持しているかどうかも謎である。キャリア組が公共に奉仕する義務感を抱いているかどうかも謎である。要するに彼らは、本来の資格なくして選抜(エリート)官僚となっているのだ。こういう連中のことを、古い言葉で、僣者(せんしゃ)、という。本来の正当な資格なくして高位に就いている者である。分を越えて奢り高ぶっている者である。分不相応な振舞いをなしている者である。》

 以前に知人のノンキャリから、キャリアに関するこんな話を聞いた。ひがみも入っているから割り引いて聞かなければいけないかもしれないけどね。
「なにしろ時間にルーズですね。出勤もまちまちだし、日中は何をやっているのかよく判らない」
「ずっと読書をしているのもいる。仕事に関する書籍かと思えば、例えば『電車男』のようなベストセラーをずっと読んでいる」
「省内には小さなラウンジがあってそこでは内緒でアルコールを口にすることができる」
「一日中ずっといねむりしている奴もいて、こいつ、いつ仕事をしているんだというのが結構いる」

 幹部官僚の登用試験は、高度な記憶力を試す。その結果、記憶力に秀でたものが優位な地位を占めることになる。しかし、この選抜システムは判断力とか交渉能力とか人間性といったような資質については全く無視をしている。これじゃぁ北朝鮮との交渉がうまくいかないのも、貧乏な高齢者の痛みがわからないのも頷けますわなぁ。
 60年前に日本を滅亡の淵まで追いつめたのは軍事エリートたちだった。そしてまた今、資源危機という国難が迫っているというのに、深夜帰宅の公費タクシーの中で接待ビールで顔を赤らめ、割戻しの金券を懐に入れてほくそ笑んでいていいのか。むしろ国難はこいつらが日本の舵取りをしているということなんじゃないか。

 昨日、IEA事務局長の田中伸男のバカ発言を紹介したが、この男、東大経済学部を出て、経済産業省のエリート官僚として働いてきている。田中さんも、間違いなく僣者だろう。
 そうそう、元エリート財務官僚の片山さつき大先生が、今朝の「報道2001」にご出演あそばされていた。彼女のあの妙にボリュームのあるヘアスタイルを注意してやる人はいないのか。あれでは、妖怪「おとろし」(「おどろおどろ」とも)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E3%81%A8%E3%82%8D%E3%81%97
じゃないかいな。(笑)