扇動記事

 昨日の宴は楽しかった。お付き合いいただきました皆さん、ありがとうございました。ワシャはすっかり調子にのって飲み過ぎてしまいましたぞ。毎度のことですが……

 今朝の朝日新聞に《温室ガス半減「45兆ドル必要」IEA試算》という記事がある。現状のまま放置しておけば、CO2の排出量は2050年に現在の2.3倍になるという。しかし、昨年の独ハイリゲンダムのサミットでは2050年にまでにCO2を半減すると放言している。できるかできないか判らないが、温室ガスを現在の半分にまで抑えこむには、日本円にして4700兆円という投資が必要なんだってさ。
 4700兆円だっせ。4700円とはわけがちゃいまっせ。
 日本の国家予算が83兆円でしかない。それに比べ桁が2つも違う莫大な資金を投入して、毎年毎年、原子力発電所を毎年32基ずつ造り続け、日本列島と同じ大きさの太陽光パネルを2年に1枚ずつ敷き続け、風力発電施設を1万7500基おっ立てて、CO2回収貯留施設を55ヶ所造って、その上に人類が徹底的な省エネをしてようやく140億トンに半減することができる。でも、CO2はゼロになるわけではない。140億トンは毎年上積みされていくのだ。賽の河原の石積みにも似た温暖化対策を本気でやるつもりだろうか。
 IEA(国際エネルギー機関)の田中伸男事務局長は「難しい挑戦だが、実現は可能だ」とほざく。アホか!このオッサン、本当に実現が可能だと思っているとしたら狂っているとしか思えない。1300基の原発、日本列島の20倍の太陽光パネル、74万本の風力発電施設、2300ヶ所の貯留施設を造って減らすことができるCO2は海洋に溶けているCO2の0.04%でしかない。0.04%のために他の有意義な事業に使えるはずの4700兆円をじゃぶじゃぶと使っていいのだろうか。
 大豪邸に住んで毎月光熱費だけでも何十万円も使っているアル・ゴアの言っていることがどうしても信用できない。
 問題は地球温暖化ではないんだ。エネルギーの枯渇にこそ人類を脅かす要因がある。このところを政府もマスコミもきちんと認識したほうがいい。
 早稲田大学の池田教授は言う。
《政府・環境省は「地球温暖化防止大規模国民運動」なるものを立ち上げて、国民の洗脳に余念がない。ほとんどのマスコミもこの件に関しては批判精神のかけらもなく、地球温暖化の危機を煽っている。》
 そしてこう結んでいる。
《先の一五戦争の最中に「国民精神総動員運動」なるもので、戦争に協力しない国民を非国民と罵った構図とそっくりである。》