街道は妖怪だらけ

 馴染みの書店から「本が届きましたよ」という連絡があったので、仕事の帰りに立ち寄った。頼んでおいたのは、水木しげる『鬼太郎と行く妖怪道五十三次』(やのまん)である。もちろんすぐにはカウンターに行かない。なんだか数日前にもまったく同じ行動をしているような気がする。まぁいいか。しばし棚を物色する。
今尾恵介『地名の社会学』(角川選書
仁科淳司『やさしい気候学』(古今書院
井熊均『だから日本の新エネルギーはうまくいかない!』(B&Tブックス)
浅羽通明『昭和三十年代主義』(幻冬舎
武田邦彦『偽善エコロジー』(幻冬舎新書
歴史群像シリーズ 城と城下町1江戸東京』(学研)
歴史群像シリーズ 城と城下町2大坂大阪』(学研)
の7冊をいつの間にやら抱えていた。この本屋さん、品揃えがワシャの急所を突いているのでついつい買ってしまうのだ。
 レジカウンターで一番目的の『妖怪道五十三次』も合わせて清算してもらい、一目散に帰宅して読んだ。

 いやー、『妖怪道五十三次』は面白かったですぞ。安藤広重東海道五十三次に妖怪がごっそりと登場しているんですからたまりまへんで。岡崎の宿には妖怪が32匹も描かれてますよ。ビッグネームでは「小豆洗い」が矢作橋のたもとで文字通り小豆を洗っている。
 傑作は「平塚」である。広重の浮世絵では、平凡な景趣とされる作品だ。丸い高麗山を背景にしてくの字に曲がった街道を飛脚が走っている。確かに見所のない絵なのだが、水木は画面中央の走る飛脚を妖怪どもに襲わせることで凄い作品に仕上げた。高麗山を遮って画面の半分を占める「がしゃどくろ」、街道を飛脚の後ろから追ってくるのは「大百足」、「後神」に「卒塔婆小町」も襲いかかっている。是対絶命の飛脚の運命や如何に。

 昨日は仕事が終わってから環境の勉強会をやった。勉強して頭が疲れたので、その後で飲みに行ってしまいました。深夜まで飲んでいたので今日もすっかり二日酔いなのでした。やれやれ。