中国四川大地震(続報)

 なんと遅れた国であることか。
 被災地の映像から見えるのは軍と武装警官ばかりだ。確かに彼らの一部は救助活動を行っているが、間違いなく治安維持機能も担っている。そのあたりを隠すため、報道管制を敷き、災害経験豊富な日本の熟練した災害支援部隊の現地入りを拒んだ。人命救助をなによりも最優先するといった考え方はないらしい。これでは軍制下にあるミャンマー独裁国家北朝鮮となんら変わるところがないではないか。
 平成17年10月9日に発生したパキスタン地震でも、地震当日に日本から49人の国際緊急援助隊が現地に出発している。10日にも同援助隊医療チーム21人が飛んだ。ムシャラフ政権は中国共産党政権より、はるかに柔軟な体制だ。

 また、中国国内でやっている聖火リレーは続行するのだという。それはそれ、これはこれ、ということなのだろうが、この激甚災害はそんなレベルを超している。初動期にそんな悠長なことをしている場合ではない。聖火リレーをする余力があるなら、その余力はすぐさま現地の救援活動に投入すべきだし、聖火リレーに費やされる予算は現地への義捐金として供出するのがよい。

 人命救助の鉄則は初動体制の充実にある。最初の3日に全力を投入し救出活動をしなければならない。「黄金の72時間」を過ぎれば、瓦礫の下の生存率は急激に下がっていく。温家宝首相が現地でおろおろしてこけている間に、72時間はあっというまに過ぎ去ろうとしている。のんびりとオリンピックなどやっている場合ではないのだ。
 そうだ!平和の祭典オリンピックなど延期してしまえ。何万という人的被害が出て、その何十倍、何百倍もの人民が被災地で救援を待っている。中国は今、平時ではなく緊急時なのだから、オリンピックを延期してもどの国も抗議をしないと思う。北京で浮かれている場合ではない。大英断をせよ、中国共産党