環境モデル都市

 KY総理の福田さんが施政方針演説(下に一部を抜粋)でとぼけたことを口走るから、あわてて「環境モデル都市」などというなんだかよくわからない施策がぶち上ってきた。詳しくはこちら。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/siryou/080411kankyoboshu.html
 実現不可能な「低炭素社会」を実現するんだとか言っている。この募集要綱を国が示したのは4月11日だった。それから地方自治体はその募集要項に則って提案書を作成することになる。募集の締め切りが5月21日っていうから驚きだ。国は地方自治体が1ヶ月ちょっとでどんな提案をしてくると思っているのだろうか。餅の絵を書けばいいというものではない。内部できちんと協議をしなければ外に出せる施策提案などできるものか。市長、副市長、幹部、関係部署、議会などなど話を通しておかなければならぬところは山ほどある。そして、なにより最も影響を受ける市民のコンセンサスを得ておかねば、CO2削減を何十%うたおうと、そんな提案はまさに画餅だ。
 通常なら国もこんな乱飛乱外なことはしない。要綱を示してから十分な期間を設定するんだけれど、福田さんの最後の晴れ舞台「洞爺湖サミット」が目前に迫っているでしょ。だからなりふり構ってはいられない。何が何でもサミットに間に合わせたいから、やっつけ仕事もここに極まれりという態になっている。福田さんが首相の座から滑り落ちればただのあだ花ってことになるんだけど、お付き合いをしなければならない地方自治体の方々は大変でげしょうね。

 低炭素社会が本当にいいのかという議論はまだ黒白がついていない。例えば養老孟司さんは、こんなことを言っている。
炭酸ガス問題でいえば、人類が石油を使い尽くすまでは終わらないのではないかという想定がまず必要です。石油が枯渇したあとに炭酸ガス問題はどうなるのか、そのとき気候はどうなっているかという計算もしなくてはいけない。温暖化だというと大災害が来るみたいなイメージで騒いでいるけれども、世界中がそれを嫌がっているかも考えたほうがいい。カナダやロシアは実は喜んでいるに違いないのです。地球が温暖化したほうがいい場所ですから。》
 地球温暖化がいいのか悪いのか、実際にCO2の影響があるのかないのか、学者の間でも甲論乙駁の状態にも関わらず、いいのかねぇ、空気の読めない人がぶち上げちゃって。空気が読めないんだからその中に0.037%しか含まれていない二酸化炭素など読めるわけがない。