福田首相の施政方針演説 その1

(以下は、施政方針演説の抜粋です)
〈第五 「低炭素社会」への転換〉
 地球環境問題は21世紀の人類にとって最も深刻な課題です。一刻も早く、国際社会の協力の下に、全地球的規模で、温室効果ガスの削減に取り組んでいかなければなりません。我が国は、これまで、徹底的に省エネ技術の開発や導入を進め、世界最高のエネルギー効率を実現しました。こうした「環境力」を最大限に活用して、世界の先例となる「低炭素社会」への転換を進め、国際社会を先導してまいります。
 そのためにも、まず自らが率先して、温室効果ガス6パーセント削減の約束を確実に達成しなければなりません。今年度中に京都議定書の目標達成計画を改定し、産業界の更なる努力に加えて、エネルギー消費が増加している民生部門の省エネ対策に、国民の協力も得ながら力を入れてまいります。
 北海道洞爺湖サミットは、我が国の環境問題への取組を世界に発信する大きなチャンスです。2050年までに温室効果ガスの排出量を半減させる長期目標を、経済成長と両立しながら実現することを目指し、議長国として、すべての主要排出国が参加する実効性のある新たな枠組み作りを主導してまいります。
 地球環境問題に国際社会全体で取り組んでいく動きを後押しするため、途上国支援や環境被害対策、先端技術の開発といった各国共通の課題に対し、資金面はもちろんのこと、人的・技術的な面でも貢献していきます。志を同じくする途上国の温室効果ガス削減努力に対する支援や、干ばつ、洪水など、気候変動に伴う環境被害への対策を実施するための「資金メカニズム」を構築します。