《人間とは精神である。精神とは何であるか?精神とは自己である。自己とは何であるか?自己とは自己自身に関係するところの関係である、すなわち関係ということには関係が自己自身に関係するものなることが含まれている、―――それで自己とは単なる関係ではなしに、関係が自己自身に関係するというそのことである。》
キルケゴール『死に至る病』の一節である。何遍読んでもちいとも解りまへん。やっぱりアホの読書には限界があるっちゅうことやね。
と、諦めていたらこんな本を見つけた。鷲田清一/永江朗『てつがくこじんじゅぎょう(哲学個人授業)』(basilico)。永江さんは、日垣隆さんが開催した「朝までライター・セミナー」でお会いして以来、その著作を拝読させていただいている。『いまどきの新書』(原書房)、『恥ずかしい読書』(ポプラ社)、『批評の事情』(ちくま文庫)、『新批評の事情』(原書房)、『話を聞く技術』(新潮社)、『メディア異人列伝』(晶文社)などが書棚に並んでいる。永江さんの本の読みやすさは解っていたし、哲学書の難解さに辟易としていたので、即買いした。
う〜む、冒頭のキルケゴールの一節についても臨床哲学者の鷲田さんと永江さんが問答をしているが、「自己とは自己自身に関係するところの関係である」をどう理解すればいいのか明確に説明されていない。「関係とはセックスのことじゃ」とか「関係がリアルに出てくるものが三角関係じゃ」と言われてもよく解らない。白波を飲みながら読んだのがいけなかったかもしれないので、今日、仕事から戻ったら素面(しらふ)で読んでみることにする。