面子の人

 立川談志の弟子の談四楼が書いた『煮ても焼いてもうまい人』(木世文庫)の中にバカな男の話が出ている。
 長野県飯田市で開催された談志独演会のときの話だ。談志が高座に上がって客席を見ると、最前列で酔っ払いがいぎたなく寝ていたという。昔の談志ならケンカになったよね。でも還暦を過ぎた談志は偉い。その後20分ほどおとなしく高座をつとめた。しかし、このバカは一向に目を覚まさない。仕方がないので談志は高座をひとまず降りたのだそうだ。主催者がそのことを知り酔っ払いに注意をすると、このバカは開き直って「おれを誰だと思っているんだ」「居眠りのどこが悪い」「金を払っているんだから何をしようと客の勝手だ」「金返せ」と喚き散らしたんだとさ。
 その後、このバカは何をとち狂ったのか、聴く権利を侵害されたとして、不法行為による損害賠償請求訴訟を主催者に対して起こしたのだそうだ。アホ。これが警察OBというから情けない。
 もちろん裁判には主催者側に有利な証言ばかりが飛び出して、主催者側の大勝利、酔っ払いのおっさんは大恥をかいたのだった。
 ワシャの町内にも警察OBの爺さんがいて、この爺さんも実に横柄だ。無視されると異様なほど怒り出す。地元でも鼻つまみだが、威張らせておけば機嫌がいいので、おだてて地元行事に便利に使っている。
 このあたりの人種も司馬遼太郎が嫌った「ファナティックな人、官僚主義的な人、事の真実よりも体裁、面子を重んじる人」の中に入ってくるんでしょうね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080201-00000096-mai-pol
 民主党の菅さんに「利権顔」と揶揄されて、自民党の二階さんが法的措置を取るそうだ。でも本当のことだから仕方がないよね。二階さんにしろ古賀さんにしろ、顔が悪すぎる。造作のことではない。長年、与党国会議員などというヤクザな商売をやっているから人品骨柄が賤しくなっているのだ。その証拠に岡山の片山虎之助さんは参議院選挙に落選した後、いい顔に戻った。
 二階さんも菅さんの野次に怒るんじゃなくてさ「いやー、そう仰る菅さんの顔も見るからに、この綺麗なネーチャンだけは手放さないという決意が表れている」と応じる度量が欲しい。道路利権ばっかり計算しているから余裕がないんでしょうな。
 以前に司馬遼太郎が政治家を一蹴したことを書いたが、
http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=427365&log=20080125
 あの政治家ってもしかしたら二階さんのことだったりして。