顔が悪い(2)

(上から読んでね)
 40を過ぎたら顔に責任を持とうよ。もちろん顔立ちの良し悪しを言っているのではない。人品骨柄のことを言っている。例えば渥美清西田敏行柄本明などはけっして色男とは言えまい。どちらかと言えばブ男の部類だろう。しかしいい顔してますよね。これが内面からにじみ出る人品骨柄なのだ。役者として極限まで切磋琢磨し、市民としては不正を行わず慎ましく生きているからああいう上等の顔になる。片やどんな二枚目だって、賤しいことをしていれば自ずと面に出てしまう。
 前述の4人は、どれだけ高価なものを身に着けようと、素晴らしい経歴を誇ろうと、絶大な権力を振るおうと、本体の品質が悪いのだからどうしようもない。桐の箱に納められた偽装ハムが腐っているようなものだ。
 東京福祉大学の学生さんたちはいい勉強をした。もっとも見習ってはいけない卑怯な大人を間近で見られたんだから。めでたしめでたしということなのだ。