新春能

 昨日は寒風の中、名古屋城の坤(ひつじさる:西南)に位置する名古屋能楽堂に出掛けた。
 能は「松風」、世阿弥の改作。舞台中央階の上辺りに松の立木、目付柱のきわに汐酌みの車と水桶を配す。季節は9月(う〜む、季節感が……)、場所は摂津の須磨の浦である。物語は、「西国を行脚する僧が、ある夜、亡霊の姉妹に出会う。姉妹は行平(ゆきひら)中納言との思い出を語り、狂ったように舞う。夜は白々と明けて、僧は夢から覚める」というもの。
村雨と聞きしも今朝見れば〜松風ばかりや残るらん〜松風ばかり残るらん〜」
 謡に送られて、ワキの僧は舞台から橋掛りを渡って消えて行く。久しぶりに謡をたっぷりと堪能し、あ〜楽しかった。