結果ではない

 高砂部屋の序二段力士の一ノ矢(いちのや)が昨日(23日)の土俵を最後に引退した。御年46歳で現役力士だったというから驚く。昭和58年11月に初土俵というから、北の湖理事長が現役で横綱を張っていたころでっせ。
 一ノ矢さん、四半世紀も下積みでコツコツやってこられたんですね。ご苦労様でした。24年間、序二段辺りをうろうろしていたわけだから、いいことなんてなかったよね。なにせ大相撲は十両以上に昇進して初めて人がましく扱ってもらえるのだから。そういう意味では結果はでなかった。でもね、角界最高齢46歳の歩んだこの24年間という道程の素晴らしさはどうだ。

 かたや、一昨日の大相撲若ノ鵬黒海戦のことである。なんという取り組みだ。立会いは黒海が突っ込んでいった。体格のいい若ノ鵬は受けて立つかと思いきや、なななんと大ジャーンプ!黒海を跳び箱に見たてて大跳躍、黒海の制空権を制し上空から急降下して黒海を押し潰した。若ノ鵬、お前のやっていることは相撲じゃない。
「勝てばいい」朝青龍がばら撒いたウイルスは外国人力士を中心にして蔓延している。「ワタシ、ゼニヲカセギニ、ニポンニヤッテキマシタ。ダカラ、オケツモマルダシデ、ガンバッテマス。スモウノタマシイ、ワカリマセン。レイニハジマリレイニオワル、ゼンゼンワカリマセン。ワカルノハ、ゼニゼニデース」
 ただ勝てばいい、結果をだせばいいというものではないのだ。その出し方、結果に至る過程が大切なのだが、朝青龍露鵬若ノ鵬あたりは馬鹿ぞろいだから、解らないだろうね。
 こいつらの相撲を見ているとならず者が喧嘩をしているようで実に後味が悪い。そんな中で、一ノ矢さんの引退はゴミダメのような昨今の角界において一服の清涼剤となった。ありがとう。