胸騒ぎがして夜半にふと目を覚ますことがありませんか。宵からなぜだかそわそわして床についても落ちつかない夜ってありますよね。そんな時には必ず夜空に晧晧と輝く満月が掛かっておりました。

 夕べ、仕事の帰り道にリハビリをするため整形外科に寄った。電気治療、ウオーターマッサージ、指圧を受けた。やれやれこれで少し楽になったわい。医者からの帰り道にブックオフがある。本の物色は腰に負担がかかるのであまりよろしくない。でもね、残念ながら、書店、古書店ブックオフの前を素通りできないんですな。これを業界ではブックワーム症候群と呼んで恐れているのじゃ。この不治の病に冒されているワシャは、無意識のうちに店舗の中へ吸いこまれてしまうのだ。そして気がつけば1時間が過ぎ、手に持ったカゴには本が何冊も入っているのである。
 昨日は、A・L・リーバー『月の魔力』(東京書籍)、三枝克之『月のオデッセイ』(リトル・モア)、H・クーパー『アポロ13号奇跡の生還』(新潮文庫)、中野翠『満月雑記帳』(文春文庫)、那谷敏郎『三日月の世紀』(新潮選書)、浅田次郎月のしずく』(文藝春秋)などがカゴに入っていた。むむむ、月に関連した本ばかりだった。これはどういう症候だろう。月の影響なのか。しかし、今は満月じゃない。
 暫し考えた。
 そして思い当たった。
 3日ほど前のニュースで、月探査機「かぐや」から撮影した月の地平へと沈み行く地球の映像を見たのが、脳裏に刻みこまれていたんですな。その影響で「月本」ばかりを選ぶ結果となってしまったようだ。原因が解ってほっとしたわい。

 冒頭に書いた症状は、『月の魔力』によれば、やはり月の所為ということになる。月と太陽の引力が人体に影響を与える「バイオタイド」というものらしい。
 そうか、ときどき満月の夜にワシャが毛深くなるのもそれが原因だったのか。勉強になった。
 ギックリ腰も月と関係があると仰る方もある。
http://www.biwa.ne.jp/~chiro-/sonota/inryoku.htm
 興味深いことだ。