十五夜

 昨日の午前中、とある町の老人会に呼ばれて100人ほどの前で地震の話をした。先日、千人講演をやったばかりだったので、100人くらいだと実にやりやすい。ギャグも適当に炸裂し90分はあっという間に過ぎた。質問コーナーで年寄にからまれた。62年前の大地震体験者で手前勝手な救助法をとうとうと語りだす。会場全体が「いてまえ」の雰囲気だったので、爺さんの説をことごとく論破して撃沈すると、会場から拍手が沸いた。芸人じゃないけれど拍手はうれしいねぇ。
 老人会を昼に切り上げて、その足で名古屋へ出張する。東海地方が大地震に見まわれると高層マンションでもいろいろな形で被害がでる。そのあたりのことを研究しようという仲間の打ち合わせがあった。1時間ほど名古屋駅前で密談をして、そのまま帰社する。
 帰ってみれば朝から席を空けていたので、決裁の書類が山と積まれているではあ〜りませんか。それをシコシコと片付けて、気がつけば外はもう真っ暗になってしまった。
 行き付けの本屋から「注文の本が届いてますよ」とメールが入っていたので、本屋によって帰宅する。
 家の門を潜るとき、脇の百日紅の木に十五夜の月が引っ掛かっているのに気がついた。根元に置いてあった竹箒で枝を除けてやると、月はようやく空に登っていった。めでたしめでたし。