金を持つ人

 神田うのが式費用6億円の結婚披露宴をしたそうな。ウエディングドレスは6000万円、身体には105カラットの宝石がじゃらじゃらしていたという。結構なことで。
 午前中のワイドショーには30歳の社長が運転手付きの高級外車に乗って登場し、2300万円の腕時計を自慢していた。うらやましい限りですな。
 と言ったが、実はそんなにうらやましいとは思っていない。まず、引っ込み思案のワシャは結婚披露宴は簡素なものでもやりたくないのじゃ。名前も知らぬ外車にも興味がないし、時計はしない主義だ。だからテレビを見ていて「もったいない」と思ってしまう。3流芸能人の神田うのが披露宴を止めて、体力のある若き成金社長が時計をせずに電車通勤すれば、世界でどれだけの植えた子供たちに食料を届けることができるだろうか、と思ってしまった。
 作家の永井路子がこう言っている。
「だいたいアクセサリーのいのちはお値段ではないはず。どんなときにもつけられるという無性格なものはアクセサリーではない。どれにはどれと私は気にいるものを徹底的に探す。ただし安ものを。おしゃれの楽しみの究極はブランドに頼らず、おカネをかけないでおしゃれすることだと思っている。」
 貧乏人のワシャは拍手喝采をするのであった。
 神田うのも成金社長も、金を人のために使えるようになったら本物だね。