オトボケ「私の視点」

 昨日の朝日新聞(朝刊)の「私の視点」で、地震災害時の避難所利用について滋賀医科大の准教授が面白い(すっとぼけた)提言をしている。
 題は「学校体育館 空間区分で快適な避難所に」で、内容は以下のとおり。
1 体育館の舞台は乳幼児と母親専用にする。
2 跳び箱をひっくり返して赤ちゃんの寝る場所にする。
3 舞台左右の部屋(舞台の袖のことか?)は授乳室や幼児の昼寝室、体調の悪い乳幼児の専用室とする。
4 舞台下のフロアの中央は、綱引きの綱を利用して通路をつくる。これで人の頭を踏むことはない。
5 バレーボール、テニスのネットにカーテンをかけたものや(折りたたんだ)卓球台を仕切りとして利用しプライバシーを守る。
6 車椅子の人のために跳び箱の踏みきり台を利用して段差解消をする。
7 ボールの入っているカゴはゴミ箱として利用する。あるいは逆さにして猫などの動物用の空間にする。

 読み終えたとたん、ワシャは椅子から落っこちた。あまりにも突き抜けた提案なので反論をしておく。
1 体育館の舞台は低いところでも1mの高さがある。この高さの場所にわざわざ乳幼児と母親の専用スペースを設置する必要があるのか。それに舞台には窓がなく通気、換気は極めて悪い。こんなところに乳幼児母子を隔離してどうするんだ。
2 意味が解らない。
3 これも通気・換気の面で論外だ。
4 災害時に主として避難者が利用するのが体育館のフロアになる。ここに1人平均2平方メートルを占有して避難生活をする。この准教授は、その生活空間の通路部分を綱引きの綱を使って区分しろと仰る。何を言っているのだろう。太さ数センチもある綱引きの綱を仕切り線に使う意味が理解できない。「綱で仕切ることで、寝ている人の頭を踏まなくなる」と言うが、数センチの高さのものは充分に躓く恐れがあり、躓けば踏むどころか寝ている人の頭を蹴っ飛ばしてしまいますぞ。
5 折りたたみ式の卓球台を間仕切りにするって、あなた、余震が何百回と起きるんですよ。常識で考えて固定されていない卓球台など危険この上ない。そんなものを間仕切りに使えるかどうか。常識で考えてちゃぶだい。
6・7 この人はどうしても体育館の中にあるものの利用に固執したいらしい。跳び箱の踏みきり台は段差解消のスロープにはならないし、ボールカゴの利用にしても、ゴミ箱でもペット用のカゴでもいいけどさ、出したボールはどうするの?体育館内に転がしておくのかにゃ?
 あまりにも支離滅裂な提案で、大いに笑わせてもらいました。