二宮くんと呼ばれるオッサン

 昨夜、TBSの「うたばん」に嵐が出演していた。リーダーの大野くんがスマップの中井にいじられ笑いをとっていた。倉本聰に演技力を認められた二宮くんはアイドルとしての存在感より俳優としてのオーラが輝きはじめている。大きな演技者になってほしいね。
 タイトルに書いた二宮くんは、実はこの二宮くんではない。二宮金次郎の二宮だ。

 来週末に、東京で日垣隆さん主催の読書会がある。その読書会の課題図書が尋常ではない。
オルテガ『大衆の反逆』(ちくま学芸文庫
マックス・ヴェーバー『職業としての政治』(岩波文庫
カール・マルクスユダヤ人問題によせて ヘーゲル法哲学批判序説』(岩波文庫
福沢諭吉『新訂 福翁自伝』(岩波文庫
井筒俊彦イスラーム文化』(岩波文庫
プラトンソクラテスの弁明・クリトン』(岩波文庫
ヘミングウェイ老人と海』(新潮文庫
夏目漱石吾輩は猫である』(角川文庫)
 以上の8冊が1回分の課題図書である。日垣さんは言う。
「冊数は多くなるかもしれません。いまのところ8冊になりそうです。ただし、積み重ねても全部で7センチ以下にとどめます。」
 ワシャはいろいろな読書会に首を突っ込んできたが、課題図書をその厚さで規定したのは初めてだ。

 ワシャは本屋に寄るのが趣味なので、暇があれば本屋の棚の前に立っている。当然、物色していると何冊かは読みたい本が目につき、店を出る時には財布が軽くなった分だけ、重い本を何冊か抱えていることになりますわな。
 こうして課題図書や購入した本など読まなければいけない本は、日に日に蓄積されていくわけだが、読書の時間は増えるわけがない。さあどうするか。すでに風呂もトイレも車の中も、すべて読書タイムにしている。残っているのは通勤の時間くらいだ。
 そう思い当たった翌日の通勤から、ワシャは右手で自転車を引きながら左手に本を持って歩きながら読書するへんなオジさんになってしもうた。
 たまたまそんな姿を近所に住む姪っ子に見られてしまい、今では「二宮金次郎」と呼ばれているのだった。

(注1)自転車読書をやってみようという方は、文庫本は避けた方がいいでしょう。字が小さいので、手ぶれで読みにくいことこの上ない。お薦めは単行本です。ワシャは今、柳美里の単行本を読みながら歩いています。
(注2)時折、植え込みや看板にぶち当たります。この間は玄関先で寝ていた犬を蹴ってしまいました。くれぐれもご注意を。